丸1日時間があったので、ワシントンへ。


Amtrakでフィラデルフィアから約2時間。乗車券を買う際に写真付の身分証明書が必要だったり、ホームに降りる時に切符を持っているかどうかチェックされたりと飛行機並みに管理が厳しい。10時過ぎにワシントンに着くと、地下鉄に乗り換えてホワイトハウスの近くまで行き、歩いてぐるっと周囲を回る。想像以上に街が綺麗なのに驚く。もっと無機質な感じかと思っていた。


次はNational Museum of Women in the Artsへ。女性画家の作品ばかりを集めた珍しい美術館だ。かつて「女の描いたものなんて」と認められなかった時代があったとか、女性はアカデミーに入れなかったといった時代背景の解説が興味深い。銀器を展示したコーナーでは、銀器製作を夫婦で行うことが多かったために共働きを多く生むことになったとの記述が。他の多くの美術館にあるように、寄付者の名前は壁にも階段にも書かれていた。


12時半にワシントンの金融サービス会社で副社長を務めるFさんがクルマで迎えに来てくれて、ラテンアメリカ料理店のテラスで昼食。去年、留学についてうじうじ悩んでいた時にFさんが励ましたり相談に乗って下さったので、ご挨拶するのが今日の主目的だったのだが、またまたお世話になってしまった。


Fさんはアメリカでの私の研究テーマについてアドバイスをしてくれそうな女友達を2人(新聞記者とコンサルタントの方)、昼食の席に呼んでくれていた。表面的なイメージとは裏腹に、悪い意味でマッチョすぎるアメリカ人男性に関する目撃談、アメリカ人の大半が良妻賢母好きだから、ローラ人気が高いなどなど。長くこちらに住んでいる女性ならではの辛口トークを楽しく聞く。


食事の後でFさんが副社長を勤める会社が持つ、店舗のひとつを見せてもらった。アメリカに出稼ぎに来た中南米出身者向けに、リーズナブルな手数料で送金サービスを提供している。店舗のインテリアはオレンジや青など原色を使っていてポップな感じ。隣には少し前まで同じマーケットで寡占状態だった同業他社の店舗がある。こちらは病院の受付のような感じで無機質なイメージだ。持続可能なビジネスを通じて途上国の発展支援をする、というFさんの上司(で創業者で社長)の考え方を以前に聞いてとても興味があったので、実際に店舗を見て納得する。
ジョージタウンの高級住宅街、リンカーンメモリアルをFさんが車で回って下さって、記念撮影。17時にワシントンのユニオン駅でFさんと別れる。帰りのAmtrakは20ドル余分に払ってビジネスクラスにしたら、椅子を135度くらい倒すことができて快適。よく眠れた。