人種・国籍のダイバーシティに関して、アメリカの意識は進んでいる。

昨日の夕方、留学生向けの新入生イベントをちらっとのぞいてみた。ミシガン大の学生数はかなり多く、学部学生2万4500人、大学院生1万4500人。そのうち4%を留学生が占めており、出身国は80カ国に上る。イベントにも色々な国の学生たちが来ていた。

最初のうちは「困ったことがあったらすぐに相談しなさい」とか「積極的に発言して自分の個性を周りの人に知ってもらいなさい」といった、ありきたりのアドバイスが続いたので退屈して帰ろうかと思っていたら、ちょっと面白いゲームのようなものが始まった。

主催者が、世界の国旗をプリントしたTシャツを景品に出してこんなことを言い出したのだ。

「自分と同じ国から来た人が他にいないだろうと思う人は前に出てきてください。本当にあなた以外にいなかったら、このTシャツをあげます」

すぐに10数人が出てきた。アルゼンチン、ブラジルなどアメリカの近隣諸国で明らかに「他にもいるだろう」と思われるような国の出身者ですら前に出てきてマイクを持って国名を言う。会場に同胞がいたら失格で景品はもらえない。

ネパール、台湾などアジア諸国の出身者に続いて、フィンランドノルウェーなど北欧の学生も次々に前に出てくる(写真)。

良い試みだと思った。

キャンパス内で孤独感を覚えそうなマイナー国出身者にスポットライトを当てて自信のようなものを感じさせると共に、他の学生たちに世界が広いことを知らせる。ただし教育効果を狙うならアメリカ人学生にこそ、見て欲しいシーンだ。