「ライスは過大評価されている」

ところで、飛行機の席が隣だった人からはジェンダーや人種についても興味深い意見を聞けた。「現政権の中ではライス国務長官は日本でも有名。彼女とヒラリー・クリントンが次期大統領候補という話を聞いたことがあるが、どう思うか」と尋ねてみた。政治的に正しい(Politically Correct: PC)回答は「2人の女性が大統領選挙に出るのは望ましい」。

PCな考え方を聞くのは心地いいが、これは高等教育を受けた人の建前論でもあるから、私にとってのアメリカ理解は深まらない。一方「私はコンサバだ」と明言していた彼に尋ねたら、大学町では絶対に聞けない一言が出てきた。

彼「ライスにそれほど能力があるとは思わない。大統領の器じゃない。彼女が良く言われるのは女性で・・・」。
私「アフリカ系だから?」
彼「そうだ」
私「過大評価されている?」
彼「その通り」

たぶんこれが、保守的なアメリカ白人の本音だろう。先日の選挙でMCRI (Michigan Civil Rights Initiative)が通ったのは彼のような考えを持つ人が少なくないためだ。リベラルが本当に自分の主張を通したいなら、こういう語られざる意見に耳を傾ける必要があるだろう。