と、友人のアンジャネットが言っていた。


今日の夕方、お茶を飲みながら近況報告と今後の展望(?)を話した。「パリを旅行した時、ヨージ・ヤマモトのショップを見た。高くて買えないけれど、アートとして眺めると楽しい」と彼女は言う。実際、日本のファッションやポップカルチャーのファンである。小柄で黒髪なので日本の服が合う。今日のスカートもイーベイで買った日本製品。たったの1ドルである。引越しで不要なものを、彼女とルームメイト(やはり黒髪の女の子)にあげたら、服だの小物だのを「So Cute!!」と喜んで持っていってくれた。


彼女たちの意見を聞くと、日本のソフトパワーが何なのかよく分かる。同世代の欧米女性のファッションセンスは嫌いだという。カジュアルすぎたり露出過多だったり厚化粧だったりするためだ。「みんな、自分の体の形を知らない。大きすぎたりピタピタすぎる服を着てるからヘン。日本人は自分の体型をうまくカバーする服を知っている。だからといって、保守的なわけじゃなくて、色使いはカラフル」と絶賛する。


そんな彼女の目から見てパリでいちばんお洒落だったのは「日本人観光客」で綺麗なブーツに黒いパンツ、ピンクのミニスカートを重ね穿きしてセーターも帽子もピンク。帽子には大きなひまわりがついていたという。聞くからに漫画みたいな格好が「アニメから抜け出したみたい」で可愛く見えたようだ。


日本人のファッションについては、在日経験のある別の友人からも同じような意見を聞いたばかり。「日本人は話すとシャイだけど、ファッションについては全然シャイじゃない」。彼によると、アメリカの若者は友達がお洒落をすると「今日デートなの?」とか「かっこつけてる」とからかうという。


隣の芝生は青く見える。私にとってこの街は、楽で暮らしやすいことこの上ない。服は何か着ていさえすればOKである。ストレスのない生活に感謝さえしていたのだが、アンジャネットやルームメイトのように、手軽な値段でお洒落を楽しみたい女の子たちには、アメリカ人はださすぎてイラつくようだ。ちなみに彼女たちは日本に行ったことはない。そこで"日本"の潜在顧客である彼(女)らを対象にこんな企画はどうか。


アメリカ人学生に、東京行きの航空券を格安で販売する
・値段は1万円くらい。希望者が殺到するから抽選かエッセイで10名に絞る
・当選者は1週間か10日、都内で自由行動。買った物をデジカメで撮影してもらう
・どこで何をいくらでなぜ買ったか後日、写真つきで報告書を提出
・報告書はインターネットに日英併記で掲載
・日本出発前日に皆で集まり、お気に入りの品を持ち寄ってそれについて話し合う
・話し合いの様子をビデオ撮影して海外でCMとして流す。もちろんYou Tubeにもアップ。


観光業のマーケティングにもなるし、日本人が冷静に自分を見直すのにも役立つと思う。