中国でも"新卒無業"が問題になっているらしい。


学会2日目に中国社会科学院の研究者による発表を聞いた。テーマは「大学生の就職難」。発表者によれば、2003年から2007年の大学新卒者の就職率は70%に留まる。毎年200万〜400万人の大卒が新たに失業者予備軍になっており「経済損失は年間200億USドルに上る」という。


政府は実験経済を活用して若年失業問題に対処したいようだ。開会時に、中国政府が実験経済に寄せる期待について聞いたが、一例がこれであった。


中国にもニート問題があるとは知らなかったので驚いた。外国企業が次々に進出しているから、大卒の若者は引く手あまたかと思っていたのだが・・・。「経済成長が著しいのに、なぜ就職難なのか。外資が大卒者を欲しがっているはずだが」と尋ねてみた。


理由は2つあるという。ひとつめは大学定員の急増。1999年から政府は大学生の数を増やした。一方、就職先の数を始めとする社会構造はそう簡単に変わらない。ふたつめは学生の好み。「日本と違って中国の学生は政府に就職したがる。権力があるからだ」。


私には初耳の話ばかりで驚いた。社会科学院は政府機関なので、ここが発表する若年失業者数が実際を上回ることはないだろう。学会発表までしているところを見ると、これは公式に認められた経済問題といえる。それにしても数が一桁多いので唖然としてしまう。


写真は南京東路。土曜の夜だったので家族連れで大賑わいだった。