「アメリカ共働き夫婦のワーク・ライフ・バランス」をテーマに留学中の調査とインタビュー結果の報告をしました。


 内容の大筋はこちらに。最初に「なぜ北欧でなくアメリカを調査したのか」をお話しし、その後、日米比較のデータやアメリカ人の生の声を紹介した。主催は日本初のワーク・ライフ・コンサルタントパク・ジョアン・スックチャさん。仕事で5年前からお世話になっており、私が男性の家庭参加について関心を持つきっかけを作ってくださった。


 「なぜ北欧でないか」は、日本で調査報告をするときは、説明する必要があると感じた。普通、ワークライフバランスといえば、北欧や欧州にならえ・・・と思うはずだから。私は雑誌記者としての取材で、ノルウェーワークライフバランスダイバーシティ推進策について取材したことがある。同国の男女共同参画局長に該当する方にインタビューし、この国では、こうした施策を皇太子夫妻が海外向けにアピールまでしていると知った。


 とてもうらやましいし、ノルウェー語ができたら移住してみたいとすら思った。しかし、日本を北欧型の「大きな政府」にすることには反対だ。財政赤字が大きすぎ(お金がない)、政府に透明性が欠如しており、(これ以上の税金を、今の中央政府に払うのは私は嫌だ)、人口が多く多様な価値観がある(増税しても、育児支援には使われず、地方の農家向けバラまきに使われるかもしれない)ためである。この辺りは数字を示したので多くの方に納得していただけたようで、よかった。


 参加者の方同士で「日本男性の家事育児時間を増やすためにどうしたらいいか」議論をしていただく時間も作った。すでに半々、家事を分担しているという男性もいれば、せっかくやっても奥さんに細かいことを注意されてやる気が削がれるといった意見もあった。確かに、夫婦で家事の要求水準が違うことは多い。妻の側も「夫が何もしない」と文句を言うだけでなく、お互いの違いをコミュニケーションで埋める努力が必要だろう。


 当日は約35名が足を運んでくださった。男性も予想以上に多く(ざっと見た感じで10数名)、育児休業の取得経験を話して下さった方もいた。終了後の交流会では夫との家事分担について、ご自身の体験を聞かせて下さる方などとお話ができ、とても楽しかった。