今年のオーサーアワードは、子どもの貧困問題に関する発信を続けている湯浅誠さん(法政大教授・社会活動家)。湯浅さんは長年、貧困問題やホームレス支援に取り組んできた活動家。Yahoo!では、多くの人の関心と共感を呼ぶ記事を書いています。
受賞記念の講演で、湯浅さんは「1ミリでも前に進む」ことの大切さについて、説得力をもってお話されていました。
後半は「発見と言論の共有が未来を変える 〜発信者の課題と展望を考える〜」と題したパネルディスカッションがあり、湯浅さん、医師の中山祐次郎さん、ブロガーの山本一郎さん、ヤフーの岡田聡さんと一緒に私も登壇させていただきました。モデレーターは俳優の別所哲也さん(写真は登壇者)。
細かい打ち合わせはせず、ライブ感を重視したパネルで、とても楽しかったです。別所さんからは、ショートフィルムのフェスティバルを企画されたお話、湯浅さんは多くの人を巻き込むための書き方の工夫、中山さんは一般の人に届ける工夫、山本さんからは記事を書くことで生まれる変化などについて伺ったのが印象的でした。
私はもともと経済記者で、Yahoo!には、主に女性や子どもの人権問題、性暴力の問題などを書いています。シリアスかつ、扱いづらいテーマだと思いますが、それぞれの書き手が、逆風に遭いながらも、上手にかわしながら自分のテーマを追い続けていることを知り、励まされました。アンチがいるのは女性問題に限った話ではないことがよく分かり、直接、発信者同士が話せる機会は貴重だな、と思いました。
岡田さんからは、Yahoo!が新しく導入する書き手支援策に関するお話がありました。中でも、企画を募集し認められたら取材費を支援する仕組みや、調査用のデータベース提供、コワーキングスペースの貸し出しなどは、フリーランスで活動する私のような者には、大変、心強いと感じます。
懇親会でも、たくさんの方とお話できました。意外にも多くの方から、私が取り組むテーマへの関心や共感について伺うことができ、書いて届けることの意義、書くことへのモチベ―ションを感じることができました。