2年間に約2000人の男性社員が1カ月育休を取った日本企業

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左から、積水ハウス執行役員伊藤みどりさん、前内閣府男女共同参画局長・池永肇恵さん、私、FJ創設者の安藤哲也さん

 今日の午後は積水ハウスの男性育休推進イベント。同社は2年前から男性育休の完全取得をしていて、これまで1900名余の男性社員が1カ月育休を取得しました。対象は3歳未満の子どもがいる人。今ではESG経営の「S」にも男性育休を織り込んでいます。

 
 きっかけは社長のスウェーデン出張で、公園でベビーカーを押すのが全て父親であることに気づき、こういう幸せを日本でも根付かせたいと思ったこと。帰国後すぐに動いて制度を作り今に至ります。
 
 昨年初夏に、このテーマで社会に発信をしたい、と相談を受け、スウェーデン大使館とのコラボレーションを提案しました。私が2年前「スウェーデンのパパたち」写真展の大使館主催イベントでモデレートしており縁があったためです。昨年は自身、2回の育休を取得したペールエリック・ヘーグベリ大使と仲井嘉浩社長の対談イベントをしたり、記事コンテンツを作るお手伝いもしました。今日のイベントにもヘーグベリ大使がビデオ出演しています。
 

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 9月19日を育休(いくきゅう)の日とし、今日は都道府県別に男性育休の取得状況、家事育児度合いを妻評価含めて測った調査結果の発表もありました
 
 パネルディスカッションでは、積水ハウスで住宅営業を経てダイバーシティ推進担当の執行役員なった伊藤みどりさん、8月まで内閣府男女共同参画局長だった池永肇恵さんと一緒にお話しました。モデレートはファザリング・ジャパン創設者の安藤哲也さん。オンラインで三重県知事の鈴木英敬さんも加わり、企業や地域の持続可能な経営とダイバーシティ推進、ジェンダー平等の観点から男性育休を推進する具体的なやり方について事例やデータ、経験を共有しました。
 
 イベントはメディア向けで、参加者リストを見たら育休取得経験のある男性記者がいて、嬉しかったです。
 
 実はこの春から始まった国家公務員の男性育休取得推進では、積水ハウスが使用している「家族ミーティングシート」を使っています。育休を単に取るだけ、休むだけではなく、男性の家庭内での役割を明確化しケアワークのうち何を分担するのか、事前に配偶者と話し合って決めるためのツールで、昨年はこちらの監修にも関わりました。
 
 私が女性の社会進出と男性の家庭進出は車の両輪のように同時に進むべき、と思い、アメリカに留学して調査したのが14年前。当時、読んだ論文や研究書に書いてあったことを実践に生かせる時代が来たことを感じます。