積水ハウス男性育休プロジェクト、パネルディスカッション

 2019年から参加している積水ハウス育休プロジェクト。同社は2018年秋から3歳以下の子どもを持つ全ての男性従業員に1カ月の育休を提供しています。取得率は100%に上り、既に約2000人が取得しました。昨年(2022年)からは、男性育休に積極的に取り組む雇用主(企業、官公庁など)に呼びかけ「男性育休が当たり前」の社会を目指しています。

 私は関連の調査報告書に寄稿したり、「育休の日」となった「9月19日」またはその前後に開催されるパネルディスカッションで司会を務めたりしています。

 今年は、1960年代から現在までの父親がいかに変化してきたか振り返る2分強の動画を制作したのですが、ここには自ら育休を取得し、男性育休を研究している社会学者の中里英樹さん(甲南大学)が監修者として関わっています。また、日本男性の育児参加を普及啓発している安藤哲也さん(NPOファザーリングジャパン創設者)は、プロジェクトの当初から社内研修などの形でサポートしています。

 この日は、男性育休導入を決めた積水ハウス社長の仲井嘉浩さん、中里さん、安藤さんのディスカッションでモデレータを務めました。

 この5年間の変化は、男性育休取得者の増加、期間が伸びたこと、そして配偶者や上司などの理解・期待が増してきたことです。モデレータとしては、こうしたイベントで出てくる質問が「男性育休といっても難しいのでは」という後ろ向きのものから「今後は、いかに制度を拡充しますか」「実現のコツを教えてほしい」という前向きなものに変わってきたことに、時代の変化を感じます。

 本当に10年、15年前と状況が大きく変わります。ビジョンを持ち、長期的な視点と戦略を持って、味方を増やしながら着実に進んでいくことが大切だと思いました。