比叡山頂にある延暦寺会館に家族で泊まりました。延暦寺を見て回るのに便利で琵琶湖がとても綺麗に見えます。天気が良かったので夕焼けと湖の対比や、街のが縁取る湖もよい眺めで、星もよく見えました。朝の空と水の色合いも美しい。
食事は精進料理でタンパク源は豆腐やゆばでした。結構、食べ応えがあります。京都から近く、混雑していないので、ゆっくり過ごしたい人にお勧めです。
近江八幡から電車を乗り継ぎ、石山寺へ。紫式部が源氏物語の着想を得たことで知られるお寺です。駅からお寺までの道は分かりやすく、川沿いで見晴らしも良いです。立派な門の前は和菓子などお土産屋さんが並んでいます。
それなりの広さがあり、紫式部が滞在したとされる部屋には人形が置いてありました。1000年残る作品の着想を得たお寺というのは、ものを書く人には縁起が良いだろうと思いました。
お寺の敷地に入り少し歩くと、左手に大河ドラマに関する展示室がありました。2024年にNHKが制作放送した「光る君へ」について、写真のような衣装や登場人物紹介、専門家の解説があり楽しめます。
ドラマ館の隣には、源氏物語に登場する色や草花を解説したり、物語の中でよまれた歌を、現代の恋愛シーンになぞらえて紹介する展示がありました。こちらは、若い世代に向けて、源氏物語の世界を知ってもらおうという意図を感じます。
ここから先は私の推測です。大河ドラマが放送されると、舞台になった地域や場所には一時的に観光客が増えます。石山寺も、ドラマに関する展示と関連のお土産屋さんは多くの人でにぎわっていました。
ただ、山を登っていくと人はまばらになります。おそらく来年以降、観光客は新しい大河ドラマの舞台に行くはずです。大河を機に石山寺を訪れる、おそらくは若い女性に向けて源氏物語の世界を分かりやすく伝えることで、この場所に再訪してもらうことを狙って、二段階でマーケティングしているのかな、と思いました。短期的には大河人気にあやかること、中長期的には「恋愛」を前に出すことで、源氏物語→華やかな恋愛→紫式部が着想を得た石山寺→恋に効く石山寺…みたいな感じで。
前日に近江八幡でのぼった八幡山も「恋愛の聖地」とうたってマーケティングしていたことを思い出しました。
冬休み旅行、初日は近江八幡へ。駅から10分ほどバスに乗り、江戸時代の商家が残る道を歩きました。比較的広い地域で写真のような街並みを見ることができます。かつて、岡山県にあった父の実家が呉服屋を営んでおり、似たような建物だったことを思い出しました。
近江八幡といえば、近江兄弟社とメンターム。年末で閉まっていましたが、資料館があります。手前の銅像は創業者のウィリアム・メレル・ヴォーリズ氏。英語教師としてアメリカから来日し、キリスト教の伝道、病院、教育機関など社会事業を起こしました。近代的な西洋建築も多数残しています。街には今も、ヴォーリズ氏の名を冠した学校や病院があります。
街の中にはヴォーリズ氏による西洋建築がたくさん残ってて、個人の住宅として使われているものもあります。下の写真、旧近江郵便局もヴォーリズ氏が手掛けました。地図に載っている建物は、ほぼ歩いて見て回ることができます。
近江八幡の街は、豊臣秀吉の甥・秀次が作った城下町でした。秀次は商業を発展させ、町が栄えていましたが、秀吉に蟄居を命じられ最期は切腹させられます。八幡山ロープウェーを上ると、かつて秀次が開いたお城が、今はお寺になっているところへ出られます。街と琵琶湖の眺めが素晴らしく、このような風景を見ながら叔父から死を命じられるとは、さぞ無念だっただろう、と秀次の気持ちを想像しました。
この山は、今では「恋人の聖地」としてマーケティングされており、時代の変化を感じます。
秀次のもとお城の周りはお堀になっていて、時代劇のような風景が広がっています。高度経済成長期に、このお堀が汚れ切ってしまい、埋め立て計画が持ち上がったそうです。地元青年会議所のリードで市民が清掃などを行い、埋め立て反対署名などを行ったところ、当時、現地に赴任していた国家公務員の支援も得てお堀が残されました。
歴史と文化は人を惹きつけますが、長期的な視点に立った地味な努力や意思決定が必要なのだと分かります。
見どころと魅力的なキーパーソンの多い街でした。今回は年末休みに入っており、資料館、博物館の類が全て休館だったので、またあらためて訪れたいと思います。
近江牛のしゃぶしゃぶをいただきました。美味しかったです。隣のテーブルにカップル客がいて、女性が「美味しい!」「これ、すごい!」と何度も言っていて、私もそう、そう、と思いました。
久々に家族全員で映画を見ました。「ライオン・キング」の超実写版。
アニメに慣れていたので、実写には違和感があるかなと思いましたが、とても自然でした。ライオンの魅力と怖さが的確に表現されていて、さすがディズニーです。
高校生の息子は、幼児の頃「ライオン・キング」が大好きで、少し高い場所を見つけては、プライドランドに見立てて上り「ガオー!」とやっていました。超実写版にも満足していたようです。
ストーリーは、最近多く見る、名作の過去を描くことで悪役の心理や背景を理解するという内容。親子の絆、兄弟愛、友達の大切さや勇気といった普遍性のあるモチーフを扱い、幼児から大人まで楽しめるつくりになっています。
何も考えずに楽しめる勧善懲悪な側面と、昨今の国際情勢に照らして悪役をプーチン…などと考えながら見ることもできます。雌ライオンの働きと雄ライオン(一部)の情けなさの対比からは、女性労働を軽視するな、といったメッセージを読み取ることもできそう。
人間で描くと賛否両論で意見が分かれそうなことも、動物で描けば皆が一緒に見られるというディズニーらしい映画です。写真はおまけでもらったクリアファイル。
投資家の視点でジェンダー・ダイバーシティの必要性を論じる書籍にインタビュー企画で参加しました。
著者は「意見発信する投資家の会」。ESG投資の中でもS、取り分けジェンダーに関心を寄せる国内外の男女機関投資家12名が様々な角度で執筆しています。
最近は「なぜ女性活躍?」と尋ねられることがほとんどなくなり、多くの組織で「当たり前」になりつつあります。投資家の視点と意見を知っておくことは、組織内でこのテーマを論じる上で重要だと思います。
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(https://www.biz-book.jp/isbn/978-4-502-52221-5)