読書

年初から面白い本を読みました。

主人公は38歳の平凡な主婦、2児の母で夫は単身赴任中。友人の強引な誘いで働き始め、社会の仕組みを知り、家庭の大切さにあらためて気づきます。 本書を手に取ったきっかけは、私と同世代の女性がツイッターで紹介していたため。実を言うと、「ビジネスマン…

米国の男性研究者による「仕事と育児の両立体験談」。少し前にご紹介した"Mama, PhD"の男性版です。

"Mama"を読んだ時は、米国の研究者コミュニティーが働く母親にあまりに厳しいので驚きました。筆者のバイアスかな?と思い、事情を知っていそうな人に話を聞いてみたところ、どうやら書いてある通りのようです。話した相手はアイビーリーグで終身在職権を持…

Mama, Ph.D.: Women Write About Motherhood and Academic Life作者: Elrena Evans,Caroline Grant出版社/メーカー: Rutgers Univ Pr発売日: 2008/07/30メディア: ペーパーバック クリック: 31回この商品を含むブログ (1件) を見る

タイトルは「ママ博士」とでも訳すのでしょうか。母親業とアカデミアでのキャリアを両立するのが、いかに難しいか記した本。 日本と共通する問題もある一方、日本の制度の方がいいな、と思う面もあり、色々なことに気づかされます。もちろん、これから米国の…

金融危機が破壊したのは市場への信頼にとどまらない。

アメリカでは多くの労働者が勤務先への信頼や仕事へのやる気を失って職場を去っていった。本書は、シンクタンク・Center for Work-Life Policy(CWLP)がアメリカの主要14社(アメリカン・エキスプレス、ブルームバーグ、ブーズアレン・ハミルトン、ブーズカ…

通勤電車で読んでいたら叫びたくなった。「ちょっとそこのおじさん。仕事つまんないなら、これを、読んでよ!」。

凡人のための仕事プレイ事始め作者: 中川淳一郎出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2010/05/13メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 26人 クリック: 352回この商品を含むブログ (8件) を見る著者の中川くんは大学時代の友人。前著『ウェブはバカと暇人のも…

夫婦の2組に1組が離婚するアメリカで、離婚そのものは本書のタイトルにある通り、「よくあること(Happens Every Day)」である。

しかし、乳幼児の子ども2人と主婦の妻を捨てて、出て行く夫というのは「よくいる」のだろうか。さらに、別れる原因が同僚との恋愛沙汰で、その同僚の採用面接を自分が担当していた…というのも「よくあること」なのだろうか。子どもはまだ、1歳半と3歳で、浮…

漫画「闇金 ウシジマくん」の10巻には、サラリーマンの実態がリアルに描かれている。

この巻の主人公は「小堀」という30代男性。医療機器メーカーの営業マンで、専業主婦の妻と2人の子どもを養っている。誠実だがばか正直な小堀くんはなかなか売上げをあげられず、パワハラ上司に毎日怒鳴られている。帰宅は毎日終電近く、昼食の予算は500円。…

Unaccustomed Earth作者: Jhumpa Lahiri出版社/メーカー: Knopf発売日: 2008/04/01メディア: ハードカバー クリック: 7回この商品を含むブログ (6件) を見る

「停電の夜に」、「その名にちなんで」などの著者の最新作。 これまでと同様、インド系アメリカ人の二世とその家族・友人との関係を描いている。身近な人の死や性、不倫なども扱っているのがこれまでと少し違うかもしれない。簡潔な英語で書かれているので読…

シカゴの低所得者住宅で活動する黒人ギャングの生態を描いた本。

特徴は2つある。1つめはアメリカが今も抱える人種・階級問題を浮き彫りにしていること。2つめはギャングと黒人低所得者の経済行動を詳しく調べてあることだ。 著者はコロンビア大学社会学部で教鞭を執る。シカゴ大学社会学部の博士課程在籍中にこの研究を行…

MITの行動経済学者、Dan Ariely教授が色々な実験をもとに書いた一般書。大変、面白い。

他人と自分を比較すると、それまで満足していたのに不満を覚えるようになるとか、お買い得の高額商品と無料の低額商品を差し出されると、多くは後者を選びがちとか。なぜか損する選択肢をとってしまう、人間の非合理的な行動のメカニズムを分析している。 私…

著者のベロニカ・チャンバースさんはNew York Times Magazineの編集者を経て、現在はフリージャーナリストとして活躍する。

Japan Societyの奨学金を得て数カ月日本に滞在、その後、追加取材と合わせて75人の日本人にインタビューし、日本女性の最新事情を綴った。海外の新聞や雑誌で、これまでも日本女性論は色々と目にしてきたが、私がいちばん好感を持ったのはこの本。ありがちな…