東京で仕事をする時、取材前の下調べによく使っていたのは日経テレコン(主要新聞の過去記事)と大宅文庫(雑誌の過去記事)だった。

作家や学者など著作がある人にインタビューをする時は、過去に書いた本にも目を通す。これはアマゾンで買うのがいちばん早かった。アマゾンに在庫がなければ紀伊国屋ジュンク堂のウェブで在庫を調べて電話して取り置いてもらい帰宅ついでにピックアップする。刊行から数年経っていて、あまり一般受けしないタイプの本だと新刊書店にないから、アマゾンのユーズドか日比谷図書館などに行く---。

こうやって資料集めをするのは、こちらに来ても変わらず、違うのはツールだけだ。新聞記事を探すときは Lexis Nexis、学術誌の過去記事を探すにはJstor(写真)を使う。

Jstorは人文・社会科学、芸術系の600の学術誌に掲載された記事をスキャンした状態で見せてくれる。アンドリュー W. メロン基金が資金援助して始まった。キーワードや調べたい分野を入力すると、たくさんの論文が出てきて、よくこんなニッチな分野を研究する人がいるなあと感心してしまう。刊行から1〜5年経ったものが所蔵されているので、新しいものを見つけるのには適さないこともある。

新しいものを探すのにはGoogle Scholarが役に立つ。例えば「househusband(主夫)」をキーワード検索をしてみると298件の記事が出てくる。その中のいくつかに「Availability at UMichigan」というものがあって、そこをクリックするとミシガン大学図書館の蔵書検索システムMirlynを介して目指す論文や記事にたどり着くことができる。とても便利だ。

ちなみに、グーグルは一昨年、ニューヨーク公立図書館やハーバード大スタンフォード大、ミシガン大学、オックスフォード大学の図書館の全蔵書をスキャンして索引付けをすると発表している。