昨日は弁護士夫婦にインタビューをした。


2人ともハーバード・ロースクール卒。超がいくつもつく勝ち組カップルである。ナニーを2人雇っているとか、エリート男性特有の仕事に対する考え方などいろいろ面白い話を聞いた。


いちばん面白かったのは、法律事務所で働くのが本当に本当に大変だという話。法曹界や米国で企業法務に携わる人にとっては当然のことかもしれないが、日本と米国では弁護士の業務も位置づけも違う。米国の法律事務所に仕事を依頼する企業は「高いカネを払ってるんだから、顧客の要望には24時間対応するのが当然」と考える。本当に昼も夜もなく問い合わせやら要求に応え、休暇中でも関連書類を持ち歩くそうだ。客に「使い倒される」という感覚らしい。


競争も厳しいから、男性弁護士なら妻は専業主婦。もしくは子供のいない共働きカップルが普通だという。「女性のパートナーも2人いたけれど、夫は専業主夫だったなあ・・・」とインタビューしたダンナさんが話していた。


ちなみに私が話を聞いたご夫婦は、法律事務所を辞めて今は企業内弁護士として活躍している。「ここでは、皆、普通の時間帯に働いているし、勤務時間外に何か頼むのは遠慮する雰囲気がある。社風がすごくいい」と奥さん。お邪魔したオフィスは東京なら港区あたりにありそうな外資系企業のそれを、さらに広々とした空間においた感じ。お昼時に出されるランチといい、ガラス張りの個室といい、すごいーの一言。六本木ヒルズが小さく思えるほどのゴージャスさに驚くばかり。


2人から話を聞いて思ったのは、米国の法律事務所の過酷な労働条件は日本なら商社とか金融といった、いわゆる男性が多く高収入の業界と似ているということ。財閥系商社の方が、冗談交じりに「かつては1日26時間働いてました」と言っていた。ドラマ『アリーmyラブ』を見て、法律事務所って大変そうだけど楽しそうなイメージを抱いていたが、あれはやっぱりテレビの中の話だったようだ。