法学部だったので、大学で色々な判例について習う機会がありました。


いちばん驚いたのは、最高裁で「違憲」という判断を下す裁判官がとても少ないことだ。明らかに時代遅れで、人権侵害な法律でも何だかんだと理屈をつけて「合憲」にしてしまう。頭の良さを使う方向が間違ってるんじゃない? せっかくあんなに難しい試験に通ったのに、この人たちは、社会をよくしようという気がないんじゃないか、とかなり腹を立てたものだ。(後に、仕事を通じて数々の良い裁判官と接する機会があるが、それはだいぶ先の話)


明らかにおかしいのに合憲とされてきたことのひとつに、一票の格差問題がある。都会に住む人の一票より地方に住む人の一票の方が重い、というあれです。例えば、交通事故で同程度の怪我をしたとして、ある地方なら賠償金が100万円だけど、東京都心部で事故にあったら50万円しかもらえない・・・そんなことは考えられないのに、投票権については、こんな格差がまかり通っているわけです。


いかに憤りを感じたところで、ふつうの会社員である私にできることはひとつしかない。衆議院選挙の際、きちんと国民審査の投票もする、それだけ。新聞で審査対象の裁判官が過去にだした判決や少数意見をチェックしてから投票所に向かうことにしていた。


これまで、この国民審査によって罷免された裁判官はいません。分かりにくい仕組みだし、普通、「偉い裁判官」にバツなんてつけませんよね。


私の行動は、ほとんど趣味の世界だからね、と思っていた。話はそれるけれど、経済学者の中には投票所に行かないことを「良い棄権」とかいう人がいますが、頭にきます。そういうことを学生に教えるのは無責任きわまりない。


さて、そんなわけで、10数年、いち政治オタクの趣味として続けてきた「バツつけ」ですが、嬉しいことにこれがメジャーな動きになろうとしています。


8月24日付の日経新聞に「一人一票実現国民会議」の意見広告が載っていました。仕事でお世話になっている佐々木かをりさんがインタビュアーをされていたので、素晴らしい! とメールをお送りしたところ、こちらのサイトを教えていただきました。ぜひ、投票前にチェックしてみてください。とても黙っていられないでしょう。