夫が渡米して10年。


そこで、日本とアメリカでお世話になった親しい友人に集まっていただいて、都内でささやかな昼食会を開きました。


10年前、成田空港で夫を見送った時は、まさか今みたいになっているとは予想もつかなかったです。


当時26歳で、Ph.Dを取るには最低4年はかかる予定でした。「どうして彼についてアメリカに行かないの?」、「れんげちゃん、彼が戻ってきたら、30歳になっちゃうね。大丈夫?」。友人知人から決まって言われた言葉に「余計なお世話だよ。私は仕事好きなんだから!」と反論したものだっけ。


あれから10年経って、その間に私は仕事の面白さを知り、いささか中毒気味になり、異動して、留学して、夫と一緒に住んで、アメリカで調査をして帰国して、仕事に復帰して、妊娠して、夫が帰国して日本の大学で教え始めて、私は出産して、本書いて、復帰して…今に至る。いやー、ホントに色々ありました。


昨日の昼食会で一区切りつけた感じ。10年前、成田に一緒に見送りに来てくれて、泣いてばっかで動けないでいる私に絶妙な距離感で寄り添ってくれた大親友のM。信頼という言葉は君のためにある! 私が「会社辞めたい!」とキレると、すっごく的確なアドバイスをしてくれたNくんやTくん。ビジネス誌に異動して分けわからない!と相談すると、懇切丁寧に教えてくれた経営学者のOくんとか。昨日話をして、一橋に行ったことの一番の収穫は夫と、そして彼らと出会えたことだと思った。


夫と同じくPh.D組はグローバルに活躍する人たち。家族やパートナーと一緒に来てくれた人もいて、すごく楽しかったです。


最近は何か、日本って、終わった…と思うことが多く、ともすると、シンガポールに脱出! とか、アメリカ中西部の広い自然の中に住みたい…と「ここではないどこか」を求める気持ちが常にあった。でも、友人との絆を確認したことで「今、ここ」がいちばん幸せと思いました。みなさん本当にありがとうございました。


お店はこちらでした。会場を広い部屋へ変更してくれたり、子どもにとっても親切だったり、お店を切り回している2人のお兄さんがすごく優しくホスピタリティーってこういうことか! と思いました。