なぜ女役割を押し付けられなかったのか


勢い、発言はコンサバティブになりがちですが、振り返ってみると、学生時代の私に対して「女性は家庭に入るべき」とか「僕は結婚したら妻には主婦になってほしい」と言う人は、ひとりもいなかった。もちろん、すでに今の夫と付き合っていた私は、彼らから見て「妻候補」ではないため、こういう話にならなかったのかもしれません。ただ、親しい友人やゼミの仲間と飲みに行って、恋愛話をする中でも、女性に対して伝統的な女性役割を求めるような発言を、彼らは少なくとも私に対しては一切しなかったということです。


当時の男友達の多くは結婚し、配偶者は専業主婦になり育児をしています。独身の人もいますし、DINKSの人もいます。私のように共働きで育児をしている人は数えるほど、年賀状のやり取りから推察するにたぶん2人くらいです。


では、彼らが私に自分の価値観を押し付けてこなかったのはなぜか。それは、私の言動を見ていて「こいつはこういう奴」と分かっていたためでしょう。下手に保守的な発言をしたら全力で反論してくるのは火を見るより明らか。


そういえば一人だけ、あえて「女性は○○した方がいい」と挑発してくる男友達がいました。ある時、教授同席の飲み会で、コンサバ発言をした彼に対し、私がガーッと言い返すと、ほとんど漫才のようになってしまいました。先生が笑いながら「こりゃ、れんげの勝ちだなー」などと言った記憶もあります。ちなみにこの先生は経済界でよく知られた方で、メディアを通した発言は結構保守的だったりします。


大学1年の時と3〜4年の時に入っていたゼミを思い出しても、女性が何か「女の仕事」をやらされた記憶はありません。男女対等に議論して終わったら夕食&飲みに行く。3年生の時は、女性の先輩も一緒でしたが、賢くて美しくて強い先輩たちだったので「女は○○すべき」などということは、思いつきもしなかったのではないでしょうか。