論より実。何より子どもとの生活が大事

育児休業を取った男性のほとんどが経験する、ママ友との付き合い(の難しさ)を、著者も経験しています。ママと子どもが集まる場所に行っても、なかなか話しかけてもらえない。運よく話しかけてもらっても、その場限りで終わってしまう。私は全く同じ話を、アメリカの主夫が集まる会議で聞きました。


この問題に対して、著者が、寂しいけれどある程度、仕方がないという姿勢を取るところが、新鮮でした。私などは、こういう場面を見聞きすると「男女の役割分担の境界線」を云々してしまいますが、著者は違います。いちばん大事なのは自分と子どもの楽しい日常。ママ友とはそこそこのおつきあいができればいい。敬語を保ち、相手の夫が見てもヘンに思われないような友人関係で…と記します。


育児の世界で男が差別されている!というネガティブな事象に拘泥することなく、どうしたら、赤ちゃんも自分も快適に過ごせるか考える。ポジティブかつプラクティカルな姿勢が勉強になります。


裏返して考えると、働く女性が男社会に馴染めない実情についてもあまりネガティブに考えすぎず、目の前の仕事を楽しく丁寧にエネルギッシュに進めていくべきなのかなあ…などと、どこまでも理屈っぽく考えてしまう私です。