女性なら珍しくない選択が男性にも開かれてきた

ところで、著者のような選択は、女性ならばさほど珍しくありません。子どもとの時間を確保したいから育児休業を目いっぱい取るとか、家族一緒に暮らしたいから夫の転勤に伴い離職するという女性はたくさんいます。


仕事より家庭。キャリアより子ども。こういう選択は女性だけでなく男性にも開かれているということ。この本が教えてくれるのは、そういうことです。結局、仕事と家庭どちらに重きを置くかは個人差なのであり、性差ではないことを身を持って示し「男性も女性もどっちを選んでもいいんだよ」と教えてくれる。そういう自由な雰囲気がこの本からは感じられます。


私は、本当に男女が自由に生きられる社会というのは、女性が働き続ける自由だけでなく、男性が仕事以外の選択をする自由も確保されていて初めて実現されると思っています。日本の現状では、女性の就労支援が先決になっていますが、男性の非就労選択支援と同時に進めて欲しいものです。