大賞に選ばれたのは4団体と1個人です。



産業分野はDACグループ。広告業で社員に占める女性割合がほぼ半分。管理職女性比率も高く、目標は役員女性比率3割と目線が高いです。女性のやる気を後押しするため、ずうっと前から育休復職支援をしていたこと。個人を活かすダイバーシティの発想が社長の信念になっていること。取り組みを始めたのが1980年代と古く、やはり成果を出している企業は長年の取り組みがあるんだな、と思います。


医療・福祉分野は武蔵村山病院。女性医師や職員の継続就労を目指し、有給取得率は業界平均の倍。女性医師の比率は37.5%と全国平均を17ポイントも上回っています。今後の課題は男性育休だそうです。


教育分野は芝浦工業大学。学長の強力なリーダーシップで女性研究者を積極採用、登用しネットワークを形成しています。工学分野はもともと女子学生が少なく、リケジョ増は日本全体の課題です。ともすると「少ないから仕方ない」という議論も出てきますが、グローバル化にはダイバーシティが不可欠。ダイバーシティなくしてイノベーションはない、という学長の信念が伝わってきました。


地域分野は特定非営利活動法人豊島WAKUWAKUネットワーク。子ども食堂の運営などを通じて、地域の子どもの居場所づくりをしています。特筆すべきは、専任スタッフ20名弱に対し、様々な形で関わる地域住民が数百人に上ること。中には「ちょっとご飯作るだけ」のお手伝いをする高齢者もいるそうです。ボランティアの敷居が低くなり、地域全体で支えている様子が頼もしく思えました。


個人分野はキャリア・マム代表取締役の堤香苗さん。女性が働き続けるのが難しかった時代、障がいを持つ子どもと持たない子ども、その親たちが集まるイベントを企画したところから、主婦層の活躍推進に取り組んできました。「共同請負型在宅ワーク」をビジネスモデルとして確立し、延べ1万6000人以上の就業機会を創出しています。


様々な分野の取り組み、それを支えるトップのリーダーシップや周囲の人の役割を短い時間で吸収でき、とても良い勉強の機会になりました。