映画「窓ぎわのトットちゃん」、とても良かったです

 映画「窓ぎわのトットちゃん」を娘と一緒に見てきました。原作の世界観を現代風のアニメで見事に表現したとても素敵な映画でした。

 

tottochan-movie.jp

 

 「困った子」と言われ前の学校を追い出された小1のトットちゃんに「きみは本当はいい子なんだよ」と話すトモエ学園の小林校長。トットちゃんのクラスメートには、様々な事情を抱えた子がいる。小林先生は全部わかった上で、黙って見守ったり、ひとこと声をかけたり、その子の得意を生かせる場を作ったりする。
  こういう学校で皆が学べたら、どれだけいいだろう、と思う。
 今、Diversity, Equity and Inclusion(多様性・公正・包摂)が大事、とあちこちの組織で言われます。言葉は覚えなくていいので、この映画を見たらいい。
 徹底して応答的な初等教育がひとつの柱であり、もうひとつの柱は戦争です。
 素晴らしい学校と子どもへの愛にあふれる先生や両親も、戦争が日常生活を変えてしまうのを前に何もできない。今、報道を見るたび無力感にさいなまれる日々ですが、この映画から大人は何ができるか考えてほしい。
 
 うちも含め、子どもがたくさん来ていて、後日、何度も「トットちゃんは、こう言ってたね」と思い出して話しているので、心に残ったのだと思います。加えて、駅の切符切のおじさんが戦中、おばさんに代わっていたり(おじさんは徴兵された?)、銀座の街中を節約を呼びかけながら列をなして歩く婦人達の姿があったり、時代背景を知る人が見るとその意味が分かるシーンが過剰な説明なしにはさみこまれ、秀逸でした。