ILO暴力とハラスメント禁止条約についてプレス説明会を開きました

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ILOの暴力ハラスメント禁止条約に関するプレス説明会。ILO駐日事務所プログラムオフィサーの田中竜介さん(マイクをもっている方)より、条約の解説。日本の弁護士資格を持ち、労働法がご専門の田中さんのお話は、とてもクリアで分かりやすかったです。条約と勧告の違いなど、イチからご説明いただきました。

会場にはテレビ新聞通信社ウェブメディアの方に加え、専門の研究者も。参加者交えて議論になって面白かったです。

会の主催はWeEmpowerというG7の女性エンパワーメントを勧めるプログラム。日本のコーディネーターを務める大崎麻子さん(写真左から2番目)から、近年の国際潮流を踏まえた解説。1970~80年代に国連女子差別撤廃条約に批准し国内法が変わる経緯をお話いただきました。私はWeEmpowerのアドバイザーをしている流れで、この日はモデレータを務めました。

カギはメディアや市民社会。国連も政府も全てをお任せできる神様ではありません。条約を契機に我々の社会規範の良くないところをいかに変えていくか、それは私たちの責任ということがよく分かります。

WeEmpowerはUN WomenとILOの共同プロジェクトでEUが支援しています。陸続きでもない日本で女性の経済的エンパワーメントをなぜEUが? というと、そこには人権や個人尊重といった普遍的な価値があります。

右に小さく写っているのは駐日欧州代表部参事官のエロル・リーヴィさん。WeEmpowerアドバイザー会合で、いつも人権の重要性について話して下さること、このような対話の現場を見にきて下さるところに彼の個人的な信念とEUが体現する普遍的価値が多くを語らずとも表れていることを感じます。

エロルさんの向かって左隣はWeEmpowerナショナルコーディネーターの斉藤万里子さん。会全体の運営や進行管理に加え、このように即興で同時通訳もできてしまうスーパーな方です。

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出席して下さったある海外メディアの方から「最近、日本の女性を巡る状況がどんどん変化していて面白い。昔なら、スルーされてしまったことに異議申し立てをするし、報道もたくさん出てきますね」というご感想をいただきました。

この会もそういう流れを作る一助になったら嬉しいです。

アクセス最高の会場を貸して下さったのは、大崎さんが客員教授をつとめる関西学院大学の丸の内キャンパスの方。みんなで日本の働き方を良い方に変えていこう、という気持ちになった午後でした。

UN Women事務局長ムランボ・ヌクカさん朝食会

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UN Women事務局長ヌクカさんを囲んで

UN Women事務局長ムランボ・ヌクカさんを囲む朝食会。W20共同議長の目黒依子先生を始め、W20運営委員会やWeEmpowerアドバイザーが集まりました。

6月にヌクカさんは、UN Womenからの要望として女性の経済的エンパワーメントや暴力・ハラスメント対策を求める書簡を安倍首相に渡しています。これは3月に我々W20が取りまとめたコミュニケの趣旨と一致しており、国境を超えたチームワークが効いてG20首脳声明に女性関連のことが厚く盛り込まれたと言えます。まずは、そのお礼をお伝えしました。

We EmpowerはUN WomenとILOが実施する女性の経済的エンパワーメントを目指すグローバルなプログラムでEUが資金提供しています。こちらでも暴力とハラスメント対応は重要テーマ。

南アの元副大統領であるヌクカさんとても偉い方なのですがフランクに明るく女性のエンパワーメントに必要なことお話してくれました。UN Womenはジェンダーバイアスと表現の課題について積極的に発信しているので、その辺りの話題も出ましたし、政治や投資の専門家が参加しており、非常に濃い1時間でした。

西東京市で男女共同参画週間の講演

午前中は西東京市男女共同参画週間の講演、ディズニープリンセス映画の変遷についてお話してきました。

一通りお話した後、参加者全員に以下の質問をしました。

●最近見て、女性像・男性像の描き方で良いと思った映画やドラマ、アニメはありますか?
●良くないと思ったものはありますか?

とても多様で面白いコメントが多かったので一部をご紹介します。(自分で話すより、こういう意見を聞く方が楽しいです)

アニメ「プリキュア」⇒玩具のCMが過剰な感じもするけれど、アニメは女性の社会進出を描いていて新しい。女性が社長になる例も。

ドラマ「きのう何 食べた?」⇒男性同士の生活が良い感じで描かれていた。

アニメ「きかんしゃトーマス」⇒女性キャラクター、舞台が中国だったり多様な文化が描かれている。

アニメ「となりのトトロ」⇒最近、あらためて見直したら、さつき(娘)が朝、忙しそうにお弁当を作っているのにお父さんは家事をしていない?

ドラマ「私、定時で帰ります」⇒ふだん、一緒に見ることは少ない高校生の息子や夫も一緒に見ていた。影響を受けたのか夫が定時で帰ってきたこともある。

他にも「痴漢がきちんと捕まるドラマ」、「性被害を描く少女漫画」「土曜日に『おとうさんと一緒』を放送しています」等々、いろいろな作品について良いもの、批判的に考察すると良さそうなものが出てきました。

エマ・ワトソンが出演しているから、この映画は女性の描き方がちゃんとしてるはず」と思って映画「美女と野獣を見ました」というご意見も。

ジェンダー感覚、リテラシー共に優れた方たちでした。

朝日新聞、文化・文芸欄に論壇委員3名のインタビュー掲載

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朝日新聞、文化・文芸面に論壇委員3名のインタビューが載っています。阪大の経済学者・安田洋祐先生は保育が子どもと母親に与える効果に関する統計分析の記事、上智大の国際政治学者・宮城太蔵先生は事務次官が振り返る平成の日本外交について話しています。

私は、4月にテレビ朝日系で放送されたドキュメンタリー「それでもママに愛されたい」を紹介しています。バングラデシュの売春街で世襲セックスワーカーとなる少女とそれを助けようとするNGO、支援者の日本男性を描く静かな番組。AbemaTVでこちらからご覧になれます。

 

abema.tv

現代ビジネスにAIとジェンダーバイアスについて書きました

書きました。ユネスコの報告書、記事中にリンク貼ってあるのでお時間ある方はぜひ目を通してみて下さい。

gendai.ismedia.jp

報告書後半はこの記事でも紹介したAIの声が初期設定で女性になっている問題について。GAFAの話でしょ、と思っていると、日本の金融機関のバイアス事例も書いてあるので対岸の火事ではありません。

また、記事では触れていませんが報告書前半も面白い。ジェンダー平等度合いの高い欧州のような国でコンピュータサイエンス修士号以上に進む女性が少なく、ジェンダー平等度合いが低いアラブ諸国コンピュータサイエンス修士号以上の進学者に占める女性割合が高め、というパラドックスがあるそうです。

炎上CMと女性の声のAIを作っちゃう背景に似通ったものを感じます。悪気はないから暗黙バイアスだけど、気づかないのはまずいよね、という話。

朝日新聞に「炎上広告とジェンダー」インタビュー(4/4)掲載

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炎上広告とジェンダーの連載、最終回は百貨店の事例です

朝日新聞経済面に掲載されている「炎上広告とジェンダー」4回目(最終回)は、そごう・西武の事例を解説しています。4回通して、見出しが的確だと思いました。

炎上した理由を解説すると「企業がそこまで配慮しなくちゃいけないのか?」と聞かれることもありますが、本気で勝ちたければ当然必要です。

社会情勢を踏まえた製品サービス開発をしている企業はたくさんあって、Government Relationsを通じて政策形成に関わりつつ新市場を作っていますから。

茨城県でCMとジェンダー炎上について講演しました

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会場まで紫陽花の並木が見事でした

茨城県の県西生涯学習センターで講演。テーマは「ビジネス新教養としてのジェンダー〜優良企業のCM炎上事例から学ぶ」。

 

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グループでディスカッションしていただき、参加者の皆さんの言語化、プレゼンのうまさに驚く。炎上CMの何が問題か「この人は失礼」「女性も迎合してしまっている」「これでは買いたいと思えない」「制作会社はどこか」など、端的にまとめた意見続出。男性もステレオタイプに怒る必要がある、という70代男性のコメントに納得しました。

聞けば地域で男女共同参画推進員を募り、色んな事業を進めているとのこと。まさに市民社会の力を感じます。