朝日新聞デジタルでNTT社長・入社式あいさつのジェンダーバイアスについてコメントしました

 日本を代表する企業の入社式。社長あいさつの以下の部分について批判的に取り上げた朝日新聞デジタル記事でコメントしました。

 

www.asahi.com

 「私たちは、女性と男性は違うと考えています。人間という意味ではもちろん一緒ですけれども、能力や特性の得意な分野が違うと思います。それを例えば、女性が得意な分野で男性も測定してしまうと、男性にとってはビハインドになりますし、逆に男性にとってのみ得意な分野で、女性が苦手な分野を強く評価してしまいますと、それは女性にとってはやはり難しい。女性には女性のよさ、男性には男性のよさがあり…」

 

 スピーチ全体は4300文字で、紛争、天災などに言及した上で持続可能な社会を目指した技術開発などの話をしています。常識的な内容です。

 ジェンダーの観点から批判対象となっている部分は、私の見立てでは200文字弱。5%くらいです。それも、どちらかと言えば、女性を励まそうという善意で話している感じがするので、私は記事中でこのようにコメントしています。

「女性を励まそうと思ってこうした発言をする例はよくある。善意に基づくものでも、ジェンダーバイアスにとらわれた発言で残念」

「男女それぞれに何かの特性があると決めつけることは、それと異なる人々の行動や希望を制約しかねない」

 

 ジェンダーについて知識がある女性からも、似たような発言を聞くことがしばしばあります。私は無意識バイアスは性別年齢問わず持っているものだと思うので、これは「人の振り見て我が振り直せ」の事例だと思いました。