台北旅行記⑧総統府が見せる民主主義の価値

 

 台湾旅行の最終日、総統府を見学しました。平日午前中は予約なしで入れます。この建物は旧台湾総督府、つまり日本による植民地支配の中心でした。今は民主主義や他民族といった現代の台湾が重視する価値を発信しています。

 

 

 こちらは総統の執務室を再現したスペース。両端の壁に並ぶ小さな展示が良い。

 

 

 扉を開けたところに、様々な仕事の道具が展示されています。総統府の運営に必要な仕事を紹介していて、いわゆるエッセンシャルワークが多くある。台湾政府は一部権力者のものではなく、台湾の人々によって作られたものだ、という感覚が伝わってきます。

 

 あちこちに"power to the people"と書いてあり、人々が連帯して政治・社会変革を呼びかけたことが、肯定的に示される写真が多く展示されていました。

 

 多民族・多言語国家としてのアイデンティティも明確に示されています。日常的な食べ物であるバナナを示す言葉がたくさんあることが分かります。

 

 全体に、民主主義国家としての意思をはっきり打ち出す展示で、とても良かったです。歴代の総統を写真と業績で紹介するコーナーも、上手に説明してある印象を受けました。合成動画で総統と一緒にテレビ出演している場面を作れるコーナー等、娯楽性も高いです。