2012-01-01から1年間の記事一覧

リバタリアンの経済学者「子どもをたくさん持つのは利己的な行為」

Selfish Reasons to Have More Kids: Why Being a Great Parent is Less Work and More Fun Than You Think作者: Bryan Caplan出版社/メーカー: Basic Books発売日: 2011/04/12メディア: ハードカバー購入: 7人 クリック: 146回この商品を含むブログを見る

いわゆる育児書をほとんど読みません。

定本 育児の百科〈上〉5カ月まで (岩波文庫)作者: 松田道雄出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2007/12/14メディア: 文庫購入: 8人 クリック: 104回この商品を含むブログ (32件) を見る 隅から隅まで読み通し、本棚に今もあるのは、松田道雄さんの古典的な名…

産休・育休中に書いた本「ふたりの子育てルール」(PHP研究所)がでました。

共働き子育てについて「どうしたら可能か」という視点でまとめてみました。働きながら子どもを育てることは「大変そう」と言われます。「なぜ難しいのか」という発想の分析を見ることが多いのですが、実際やってみると何とかなるものです。そして、いったん…

邦訳はこちらから。400ページ超とボリュームがありますが、面白いのでどんどん読み進められると思います。「人生最大の投資(結婚)で最大のリターン(幸せ)を得る」という帯がいいですね!

夫婦仲の経済学 皿洗いからセックスライフまで、妻と夫の不満は経済理 [ ポーラ・シューマン ]ジャンル: 本・雑誌・コミック > 人文・地歴・哲学・社会 > 社会 > 女性・家庭問題ショップ: 楽天ブックス価格: 2,160円

本の趣旨をひとことで言うと、ブログタイトルのようになります。

本のウェブサイトはこちら。 近々、邦訳が出ますので、ネタバレにならない程度に内容をご紹介。本書は「分業」「損失回避」「保有効果」「需要と供給」といった、経済学の考え方を応用して、夫婦喧嘩の原因を取り除いてみせます。 例えば、汚いけれど愛着の…

夫婦関係の問題は、経済学で解決できる!?

Spousonomics: Or how to maximise returns on the biggest investment of your life作者: Jenny Anderson,Paula Szuchman出版社/メーカー: Bantam Press発売日: 2011/02/03メディア: ペーパーバック購入: 1人 クリック: 33回この商品を含むブログを見る

子育てしていると、面白いことがたくさんありますが、これは格別でした。

うちは男女共同参画な夫婦で、19年前に付き合い始めた時から「男/女はこうすべき」という規範がきらいでした。「デートの時は男がおごるべき」という発想がいやだったので、食事は割り勘。たとえ夫がまとめて払う(そして後で清算する)時でも、私にお財布…

一橋大の広報誌「HQ」2012年春号が届きました。

いつも最初に開くのが「一橋の女性たち」という連載。商学部の山下裕子先生が一橋卒の女性と対談します。今回は政策研究大学院の大田弘子先生。内閣府特命担当大臣(経済財政政策担当)も務めた、OGの中でも特に際立ったキャリアをお持ちの方で、私もちょ…

友達からの電話で目が覚めた。

今日はこの友人宅へ、夫と上の子が遊びに行っていた。私も一緒に行く予定だったが、風邪を引いた0歳娘と一緒に自宅にいることにしたのだ。寝転がって、うとうとしながらいい天気の空を眺めていると、4年前、ここに引っ越してきた時のことを思い出した。 それ…

1歳すぎた頃から何度も息子に読んでいる「だるまちゃん」シリーズ。

最初に読んだのは、こちら「だるまちゃんとてんぐちゃん」でした。てんぐちゃんの持ち物がうらやましくて、同じものを欲しがるだるまちゃん。家に帰ってねだると「おおきなだるまどん」(お父さん、とは書いていません)が色々なものを出してくれます。 色と…

第一子出産以来、ついてまわったのは二級労働者のレッテルだった。

法律を上回る育児支援制度を持つ企業で正社員として働き、無事に保育園も見つかり、必要な時はベビーシッターを頼める経済的余裕と「育児は共同責任であり、人生の喜び」と考えるパートナーを持っていた私は、俗に言う「恵まれた女性」だろう。 産後の体調も…

アメリカの女性研究者協会(Association for Women in Science)が世界中の4000人余りの研究者に調査を行いました。

WLB

その結果を見ると、半数以上の人が週に2〜3回、仕事と私生活の両立困難を感じています。勤務先が「ファミリーフレンドリーである」と答えた人は全体の3分の1に留まります。ワーク・ライフ・バランスに満足しているのは、女性科学者の半分、男性科学者の6割で…

子どもが昼寝をしているので、この間に保育園グッズを作らなくてはいけないのですが、さっき知ったニュースに黙っていられなくなって書くことにしました。

大阪市が保育所の面積基準緩和を提案しました。「面積基準の緩和」という言葉は分かりにくいですが、要するに子どもを今以上に「詰め込む」ということです。 待機児童が増える中、保育所を増設するのではなく、今あるところに詰め込むことで対処しよう、とい…

“もごもご”は夫の造語。

ちゃんと調べないで、ちょっとした経験のみに基づいて社会現象についてしたり顔でモノ申す時に使います。「あのさあ、やっぱり日本社会って××だよね。もごもごだけどさー」といった具合に活用。裏付けデータやコントロール実験などはありません。 それで、公…

私にとってそれは、家事代行。

WLB

育児支援と呼ばれるものの多くが「子どもを預かる」サービスを指すことに、少し前から違和感を覚えるようになった。保育所やベビーシッター、病児保育室や病児シッターは、働く親にとって必要不可欠だ。ただ、子どもを預かる時間をひたすら長くすることが「…

追記:女性誌を「違和感」で分類私が「女らしい女」でないためか、女性誌を読むと大抵、なにか違和感をおぼえる。それは2通りに分類することができて、 1.他人=男性に「買ってもらう」ことを前提に高額商品が掲載されていることに対する違和感 (より正確…

先日、美容院へ行った時、渡されたフィガロを隅から隅までなめるように読んだ。

非ビジュアル系の雑誌づくりを生業としているため、写真重視の雑誌は仕事半分余暇半分で興味深いのだが、ふだんは時間がないのでほとんど手に取ることがない。 スリランカへの旅や、世界各都市の話題やら、都内で開かれている展覧会の情報や面白そうな翻訳小…

良い本屋さんがあること。しかも自宅から最寄り駅までの間にあると嬉しい。

5年前、アメリカから帰って部屋探しをした時、色んな町のマンションを見た。人気の界隈だけど狭くて日当たりが悪い割に高かったり、便利で手ごろな家賃だけれど、窓の外から見えるのが隣のビルのエレベーターだけだったり、部屋は素敵だけど通勤に不便だった…

追記3:フレキシビリティー!フレキシビリティー!

新興国では男女ともに仕事と家庭の両立への関心が高く、主婦家庭の男性も、早く帰って子どもと関わりたいと希望しています。こうしたニーズに対応するため、本書は「時間や場所、総労働時間を柔軟に、制約を取っ払うこと」を提案しています。「毎日8時間(10…

追記2:アラブに負けてるかもしれない日本

通常、新興国と言うと、ブラジル、ロシア、インド、中国を指します。本書にはアラブ首長国連邦の働く女性に関する項目があったのが、面白かったです。予想通り、女性が働きにくい文化は根強く、例えば一人暮らしの女性は部屋を借りられなかったり、出張が困…

追記1:本当に持続可能なのか?

新興国女性たちは、公務員として働くことも多いようです。安定している上、現地企業と比べて給与水準も高いためです。驚いたのはブラジル公務員の年金制度。後任の給与と同額をもらえる上、後任が昇給するとすでに退職した人の年金受給額も上がるそうです。…

多国籍企業にとって「女性問題」は社会問題ではなく、ビジネス戦略だ。

本書は、BRIC+UAE、つまりブラジル、ロシア、インド、中国、アラブ首長国連邦の拠点を持つ多国籍企業の「現地女性活用」に関するもの。 ファイザー、グーグル、シスコ・システムズ、ゴールドマン・サックスなど、有名グローバル企業の事例が豊富で説得力が…

女性労働力を制する者が新興市場を制す

Winning the War for Talent in Emerging Markets: Why Women Are the Solution作者: Sylvia Ann Hewlett,Ripa Rashid出版社/メーカー: Harvard Business Review Press発売日: 2011/08/30メディア: ハードカバー購入: 1人 クリック: 16回この商品を含むブロ…

もうすぐ4カ月の娘をベビーカーに乗せて家の周囲を散歩した。

飲食店の脇を通ると出汁の匂い。左からきた車をやり過ごすため、一瞬、香りの中に立ち止まる。 鯖や鰹など魚ではなく鶏の出汁と思われる匂いに、母方の祖母が作ってくれた手打ち蕎麦のことを思い出した。つなぎを入れない蕎麦は、切れやすいがぽくぽくとした…

日曜の朝、ピクニックに行く準備をする一家の様子が描かれる。

主人公は4歳くらいの女の子・あやこ。この年頃に多い「なんでも自分でやってみたい」気持ちで、色んなことに挑戦する。 「お手伝い」しようと、母親が作ったお弁当の中身を箱にぐしゃぐしゃに詰めたり、父親が準備したバッグの中身をぶちまけてしまったり。…

さりげなく描かれる「理想の親像」

おでかけのまえに (幼児絵本シリーズ)作者: 筒井頼子,林明子出版社/メーカー: 福音館書店発売日: 1981/10/20メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 24回この商品を含むブログ (38件) を見る

3)完全な福祉

児童虐待の防止や育児鬱への対策がこれに該当します。このレベルの問題に対応するため、税金を投入することを嫌がる人は、そうそういないでしょう。 予算の制約や社会の意識によって、提供されるサービスは異なりますが、最近、少しずつ変わってきている感じ…

2)公共サービス市場

利用者の自己負担に加えて補助金が入っている市場、例えば認可・認証保育園がこれに該当します。 私自身はあまり賛成しませんが、待機児童解消のためには、補助金をカットして保育園の利用料金を上げれば良いという考え方もあります。現在の自己負担額は必要…

1)市場価格を払っても、欲しい人がいる

ある種の家事サービス。ブログでさいとうさんが書いているような、ソリューション提供型のプロの家事サービスです。 我が家では週に1〜3回、食事つくりをお願いしています。払っている金額は大学生の家庭教師相当で、決して安くはありませんが、子どもにはま…

まだ保育園に入れるかどうか決まってないのですが、予定通りいけば4月に復帰。

WLB

この数カ月、家に主婦(=私)がいる状態に慣れていて、色んなことがすごくスムーズでした。宅配便がいつきても受け取れる。夕食は明るいうちから仕込んでおき、家族が空腹で帰ってきたらさっと出せる。ゼロ歳の娘がおっとりした性格で、育児がラクで、夫が…